ロゴ

世界史カフェ

https://sekaishi-cafe.com

Home >> これだけ!世界史目次 >> 明と清の文化

これだけ!世界史

明と清の文化

 ここでは、主に明と清の時代の文化について扱います。明と清の文化を混同しないようにしておきましょう。

 明の永楽帝のときには『四書大全』や『五経大全』が編纂され、儒教の教典の解釈がまとめられました。他にも明のときには『〜大全』という書物が多くつくられました。
 清のときには『古今図書集成』が編纂されました。これは中国の百科事典のようなもので、雍正帝の時代に完成しました。乾隆帝のときには『四庫全書』が編纂され、中国の書籍がまとめられました。また、明の『四書大全』と混同しないようにしましょう。

 儒教に関しては、明のときに王守仁王陽明)によって陽明学が創始されました。王守仁は、人間が生まれながらに有している性質が人間の本質であると説きました。これを「心即理」といいます。また、知識と行動が一致しなければならないと説きました。これを「知行合一」といいます。
 一方で、儒教の古典を研究するという考証学もこのあたりの時代に誕生しました。

王陽明
Shen Junhui (沈俊繪), Public domain, via Wikimedia Commons
王陽明

 文学に関しては、官僚や科挙制度を批判した『儒林外史』が特に重要です。
 また、明のときには実学が発達しました。例えば李時珍が『本草綱目』で薬学、徐光啓が『農政全書』で農業、宋応星が『天工開物』で産業について記述しました。
 さらに、明のときから、キリスト教の宣教師が訪れ、中国の発展に大きな影響を及ぼします。マテオ=リッチは中国初めての世界地図である「坤與(こんよ)万国全図」を作成し、徐光啓とともにエウクレイデスの幾何学を『幾何原本』という書物で漢訳化しました。

「坤與万国全図」
「坤與万国全図」

 清のときにも宣教師が訪れました。まず、ブーヴェによって「皇輿全覧図」が制作されました。これは中国の地図なので、世界地図の坤與万国全図と混同しないようにしましょう。
 カスティリオーネは、円明園という庭園を作成しました。

「皇輿全覧図」(山東地方)
「皇輿全覧図」(山東地方)

確認問題

波線部を、PCであればカーソルを合わせる、スマートフォンであればタップすることで答えが表示されます。

  1. 王守仁は「知行合一」を説き、知識と行動の一致を説いた。
  2. 徐光啓とマテオ=リッチは『幾何原本』でエウクレイデスの幾何学を漢訳化した。