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これだけ!世界史
ルネサンス
ここでは、ルネサンスについて取り扱います。ここでは、各国の歴史を学ぶというより、ヨーロッパ全体の歴史の大枠をつかむという感覚で学習すると良いと思います。
ルネサンスとはイタリア語で復活や復古といった意味です。何に対する復活や復古かというと、ギリシア文化やローマ文化を指します。また、ルネサンスでは中世ヨーロッパの、教会中心の価値観に反発し、ヒューマニズム(人文主義)を重視し、人間中心の文化がヨーロッパで発展します。
ルネサンスは、まずイタリアのフィレンツェという都市で発達しました。フィレンツェは、メディチ家による支配が行われ、芸術家に対して経済的な支援を行いました。また、メディチ家は、教皇レオ10世を輩出したため、教皇領でもルネサンスが発展します。
- イタリアの都市国家
それではルネサンス時代の作品について具体的に見ていきたいと思います。まず、フィレンツェで活躍した人物にフォーカスを当ててみたいと思います。
ダンテは『神曲』という作品を残しています。この作品のすごいところは、今までラテン語の文章がほとんどであったなかで、フレンツェの言葉であるトスカナ語で文章を書いたところです。これを機にイタリアでのルネサンスがはじまっていきます。
次に、ボッカチオは『デカメロン』という作品を残しています。これは、ペストの時代を描いた作品になっています。
マキャヴェリは、『君主論』という本で、権謀術数(けんぼうじゅっすう)について論じ、統治者には一定の狡猾さが必要であると説きました。
- Santi di Tito, Public domain, via Wikimedia Commons
- マキャヴェリ
美術の分野では、ボッティチェリが「ヴィーナスの誕生」や「春」といった作品を残しました。ミケランジェロは、現在のバチカン市国にあるシスティナ礼拝堂に「最後の審判」という作品を残しています。ミケランジェロは、彫刻においても「ダヴィデ像」という作品を残しています。
レオナルド=ダ=ヴィンチは「モナ=リザ」や「最後の晩餐」といった作品で今でも世界中の人に知られています。
ラファエロは聖母子像(聖母マリアと幼いころのイエスの絵)や「アテネの学堂」といった作品が代表作です。
- 「最後の晩餐」
ルネサンスの波は、その後イタリアからヨーロッパ各国へ普及していきます。ネーデルラント(オランダから北フランスまでの地域)では、エラスムスが『愚神礼賛(ぐしんらいさん)』という作品で教会の批判を行いました。ブリューゲルは「農民の踊り」という農民の生活を描いた絵画を残しています。
スペインではセルバンテスが『ドン=キホーテ』という小説で騎士道精神を風刺しました。
イギリスではトマス=モアが『ユートピア』で理想の社会を描きました。シェークスピアは戯曲を執筆しており、『ハムレット』、『リア王』、『マクベス』、『オセロー』の4大悲劇が特に有名です。
- 「農民の踊り」
最後にルネサンスが科学に及ぼした影響も見ていきましょう。ドイツではグーテンベルクが活版印刷を発明し、彼の死後には宗教改革に多大な影響を及ぼしました。
天文学の分野では、以前はプトレマイオスの天動説が主流でしたが、コペルニクスによって地動説が唱えられました。これを受けてガリレイも地動説を唱えますが、教会によって撤回させられました。
確認問題
波線部を、PCであればカーソルを合わせる、スマートフォンであればタップすることで答えが表示されます。
- ルネサンスによってギリシア文化やローマ文化の復活が試みられた。
- ガリレイは地動説を唱えたが、教会によって撤回させられた。