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これだけ!世界史
大航海時代
この章では大航海時代について解説します。それぞれの国がどのように植民地を獲得していったのかが、今後の世界史を学習する上でも重要になってきます。
大航海時代は、香辛料を求めたヨーロッパ諸国によって始まりました。香辛料はアジアで産出されます。もともとは東方貿易によって香辛料を手に入れていたのですが、オスマン帝国が東地中海沿岸を支配すると、東方貿易を阻害するようになります。よって、地中海を通らずに、大西洋を経由してインド洋に到達することで、直接香辛料を手に入れようとしました。
- 香辛料のナツメグ
大航海時代はイベリア半島のポルトガルから始まりした。まず、エンリケ航海王子によって、アフリカ大陸西岸の探索が行われました。次に、バルトロメウ=ディアスによってアフリカ南端の喜望峰に到達し、ヴァスコ=ダ=ガマはインド西岸のカリカットに到達しました。カブラルはブラジルに到達し、それがきっかけでブラジルはポルトガルの植民地になります。ちなみに、それ以外の中南米はトルデシリャス条約にしたがってほとんどスペインの植民地になります。トルデシリャス条約とは、スペインとポルトガルの植民地の勢力圏を決めた条約です。
ポルトガルに続き、スペインも大航海時代に加わります。コロンブスはアメリカ大陸付近のサンサルバドル島に上陸し、西ヨーロッパにとっての「新大陸」を初めて発見しました。また、マゼランとその部下によって、イベリア半島からアメリカ大陸、インドを経由し、世界一周を成し遂げることに成功しました。
- Continentalis, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
- 大航海時代の航路
次に、大航海時代の前には、アメリカ大陸にはどのような文明があってどのようにして滅びたのか、というところを見ていきたいと思います。アメリカでは、タバコ、ジャガイモ、トマト、とうもろこしが原産物として栽培されていました。これらの作物は大航海時代によって西欧にもたらされます。一方で、家畜の概念がなかったため、逆に西欧からアメリカ大陸に輸入されました。
アメリカ大陸のユカタン半島という場所にはマヤ文明が発達しており、ピラミッドや絵文字が使用されました。メキシコでは、マヤ文明と同じようにピラミッドなどの文化があったテオティワカン文明が発達しました。その後、メキシコではテノチティトランを都としたアステカ王国が誕生しますが、スペインのコルテスという人物により滅ぼされ、メキシコはスペインの領土となりました。
- Mariordo (Mario Roberto Durán Ortiz), CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
- アステカ王国のピラミッド
南アメリカ(現在のペルーやチリ)では、まずチャビン文化が発達しました。その後、クスコを中心としたインカ帝国が誕生しました。ただし、文字は使用しておらず、キープという、縄による伝達を行いました。しかし、スペインのピサロによって滅ぼされました。
アステカを滅ぼしたのはコルテスで四文字同士、インカを滅ぼしたのはピサロで三文字同士で対応付けて覚えておくようにしましょう。
- 「地理院タイル(淡色地図)」(国土地理院)(https://maps.gsi.go.jp
/#4/-4.472081/-65.669746/&base=pale&ls=pale
&disp=1&vs=c0g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1&d=m)
をもとに当方作成 - アメリカの文明と国家
大航海時代によって西欧社会も大きな影響を受けます。その一つに価格革命というものがあります。これは、メキシコ銀が大量に西欧に流入してきたため、銀の価値が急落したというものです。一方もちろんアメリカも植民地化されたことで社会が大幅に変革します。農園(プランテーション)では、エンコミエンダ制により、先住民を強制的に労働力とすることが可能になりました。
確認問題
波線部を、PCであればカーソルを合わせる、スマートフォンであればタップすることで答えが表示されます。
- 大航海時代は、ヨーロッパ諸国が香辛料を求めたことから始まった。
- 価格革命とは、銀の価格が急落したことをいう。