ロゴ

世界史カフェ

https://sekaishi-cafe.com

Home >> これだけ!世界史目次 >> 十字軍とヨーロッパ都市の発展

これだけ!世界史

十字軍とヨーロッパ都市の発展

 イスラームへの反発として十字軍が開始され、終了されるまでを扱います。十字軍は、第七回まであるので、それぞれの十字軍がどのような経過を辿ったのかを整理するようにしましょう。

 まず、セルジューク朝がビザンツ帝国を圧迫しており、ビザンツ帝国からの要請により、教皇ウルバヌス2世は、クレルモン宗教会議により、十字軍を開始しました。
 第一回十字軍では、聖地イェルサレムをイスラームから奪還することに成功します。一方で、第三回十字軍では、イェルサレムが、アイユーブ朝サラディンによって奪われてしまいます。
 第四回十字軍は、教皇インノケンティウス3世によって開始されました。しかし、ヴェネツィア商人の商業上の利益のために、ビザンツ帝国を一時的に滅ぼし、ラテン帝国を建国してしまいました。しかし、これはすぐに滅亡しビザンツ帝国が復活します。
 その後の第六回十字軍と第七回十字軍は失敗してしまい、十字軍は終了します。

インノケンティウス3世
インノケンティウス3世

 十字軍の失敗により教皇の権威は失墜し、各地で宗教改革の動きが起こります。イギリスではウィクリフが聖書をラテン語から英語に、チェコではフスが聖書をチェコ語に翻訳しました。
 しかし、コンスタンツ公会議により二人は異端とされ、フスは火刑に処されました。

フスの火刑
Janíček Zmilelý z Písku, Public domain, via Wikimedia Commons
フスが火刑に処されている様子

 教皇の権威が失墜する一方で、ヨーロッパの都市は成長していきます。イタリアの都市は、地中海東岸と、レヴァント貿易(東方貿易)を行うことによって成長します。
 北ヨーロッパのフランドル地方と呼ばれる地域では毛織物産業が発達しました。
 こういった都市の成長により、商工業者から、都市の独立を要求する声が高まっていきます。イタリアではコムーネ、ドイツでは帝国都市と呼ばれる、自治権を持った都市が現れます。
 その後、自治権を持った都市同士が結びつくようになり、北イタリアではロンバルディア同盟、北ヨーロッパではリューベックを盟主としたハンザ同盟と呼ばれる都市同盟を締結しました。

ハンザ同盟の勢力範囲(色がついている部分)
Credited as London: Wm Heinemann / Friedrich Graf, Public domain, via Wikimedia Commons
ハンザ同盟の勢力範囲(色がついている部分)

確認問題

波線部を、PCであればカーソルを合わせる、スマートフォンであればタップすることで答えが表示されます。

  1. 第一回十字軍では聖地イェルサレムを奪還することに成功した。
  2. フランドル地方では毛織物産業が発達した。