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これだけ!世界史
近代アメリカ
ここでは、主に近代におけるアメリカ合衆国が発展していく歴史を扱います。アメリカはヨーロッパとはまた異なる政治や文化を育んでいくので、そこを意識して学習するようにしましょう。
まず、モンロー大統領のときにモンロー宣言という内容の文書が発表されました。これは、ヨーロッパとアメリカの相互不干渉を要求したものです。
さらに、当時のアメリカは西部開拓を、マニフェスト=デスティニー(明白な天命)をモットーに推し進めており、ミシシッピ以西のルイジアナ、フロリダ、テキサスを併合し、アメリカ=メキシコ戦争に勝利しメキシコからカリフォルニアを割譲することにも成功しました。さらに、カリフォルニアで金鉱が発見されゴールド=ラッシュが発生したため、西部移住がさらに進みました。
- アメリカが諸国から割譲して獲得した領土
しかし、アメリカでは北部の州と南部の州で対立が発生していました。経済的には、北部は商工業が発達しており産業革命が発生したイギリスに対抗するため保護貿易を行うことを主張したのに対して、南部は綿花のプランテーションを積極的に行なっており、イギリスなどの工業国における工業製品の原材料として綿花を積極的に輸出すべく自由貿易を主張していました。
また、北部は都市に安価な労働者が集中しており奴隷を使用する必要がなく奴隷制に反対でしたが、南部はプランテーションで黒人奴隷を用いていたため、奴隷制には賛成でした。政治的に北部の利益を代表した政党が共和党で南部を代表したのが民主党です。
- New York: Wm. C. Reynolds and J. C. Jones, Public domain, via Wikimedia Commons
- 桃色の州が奴隷制に反対の立場で、灰色の州が奴隷制に賛成の立場
このような状況の中で、共和党のリンカンが大統領になった時には、南部の州が反発し、合衆国を離脱し新たにアメリカ連合国を建国し、南北戦争が始まりました。リンカンは、ホームステッド法という、一定期間土地を開墾すればその土地が与えられるという内容の法律を発布し、西部の州から支持を得ることに成功しました。さらに、奴隷解放宣言で国際世論の支持を集め、ゲティスバーグの戦いで勝利したことで合衆国側が勝利しました。
- Alexander Gardner, Public domain, via Wikimedia Commons
- リンカン
再びアメリカは統一され、一応奴隷制は廃止されましたが、南部の黒人はシェアクロッパーという小作人として働いていたため、黒人が不利な立場であることに変わりはありませんでした。また、大陸横断鉄道が開設され、アメリカの東部と西部がより密接に結合することになります。その後、フロンティア(合衆国本土における未開の土地)が消滅したため、アメリカは今後植民地の獲得に向けて動くことになります。
確認問題
波線部を、PCであればカーソルを合わせる、スマートフォンであればタップすることで答えが表示されます。
- モンロー宣言によってヨーロッパとアメリカの相互不干渉を掲げた。
- 民主党は主にアメリカ南部の州の利益を代表している。