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これだけ!世界史
近代西洋の文化
ここでは近代西洋における文化を扱っていきます。文化史はやはり覚える量が膨大なので、重要な箇所に絞って解説を行っていきたいと思います。
まず、文学に関してゲーテは『ファウスト』などの、古典主義の作品を残しました。古典主義とはギリシアやローマの古典を重視する考え方です。一方でロマン主義という人間の感情を重視した作品も生まれ、ヴィクトル=ユゴーの『レ=ミゼラブル』が有名です。
ロマン主義と対照的なのが、写実的な作風を重視する写実主義でトルストイの『戦争と平和』やドストエフスキーの『罪と罰』が代表的です。写実主義を発展させたのが自然主義で、社会問題に対して批判を行なっていくという考え方です。特に、ゾラは『居酒屋』という作品でドレフュス事件を批判しました。これは第三共和政のフランスで起こった冤罪事件で、ユダヤ系軍人のドレフュスがスパイ容疑で終身刑を宣告されたものです。
- В.Г. Чертков, Public domain, via Wikimedia Commons
- トルストイ
絵画でも同じよう、ドラクロワはロマン主義の画家で「民衆を導く自由の女神」と言う作品を残しており、写実主義派のクールベは「石割り」という作品で労働者を写実的に描き、自然主義派であるミレーは「落穂拾い」という作品で知られています。
また、絵画の作風の中でも独自のものが、印象派と呼ばれる絵画です。これは、景色そのものというより、景色から受けた「印象」を重視する考え方です。印象派という名前はモネの「印象・日の出」という作品にちなんで名付けられました。また、モネは「睡蓮」という作品でも有名です。ゴッホも印象派の影響を受けており、「ひまわり」という作品を残しています。
- 「印象・日の出」
次にこの時期の哲学について紹介します。ヘーゲルは、弁証法哲学という手法を導入します。これは、例えばAという意見があり、それに反対するBという意見があった時に、AとBという二つの考え方を発展させて新たにCという考え方を生み出す、というようなものです。
ヘーゲルの思想に影響を受けたのがマルクスです。マルクスは、『共産党宣言』や『資本論』といった作品の中で史的唯物論を唱えます。これは、歴史とは生産手段をめぐる争いであり、産業革命以降の時代には資本家と労働者の間で対立が発生しているが、労働者がストライキなどによって資本家に抵抗することで共産主義社会(富が平等である社会)が到来するとしました。
- John Jabez Edwin Mayall, Public domain, via Wikimedia Commons
- マルクス
最後に科学の分野についてみていきましょう。ダーウィンは、『種の起源』という書物で人間は猿から進化したという進化論を唱えたことで教会による反発を受けます。というのも『旧約聖書』では人間は神がつくったものとされていたためです。
物理学では、ファラデーが電磁誘導の法則、マイヤーとヘルムホルツがエネルギー保存の法則を発見したことを覚えておきましょう。
医学においては、パストゥールが狂犬病のワクチンを開発し、コッホが結核菌やコレラ菌を発見したことが重要です。
確認問題
波線部を、PCであればカーソルを合わせる、スマートフォンであればタップすることで答えが表示されます。
- ゾラは『居酒屋』でドレフュス事件を批判した。
- ダーウィンの『種の起源』は教会による反発を受けた。